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対話②  第四話  <創作> 銀色の風は炎の中で吹く

リテラが目を覚ますと、何故か3人の何者かによって、かなり強烈に見つめられている状況に陥っていた。

 

これは・・・・・・

 

考えを巡らそうにも、あの雨の中力尽きて倒れる瞬間までの記憶しか無い。

あの後、一体誰がココに運んできたのかも、その間何があったのかさえも全く知る由もなかった。

 

「え~と、あの~?」

 

リテラは、周囲の3人に問いかける様に口を開く。

3人は、リテラが目を覚まして話し始めたことに喜びを隠せないでいた。

 

「おい!アスレイ!!起きたぞ話したぞ!!」

「おぅ!分かってる見たよ!!」

「所で、一体何から話したらイイんだ~う~む。」

 

などと、若干混乱気味である。

 

そんな様子を見たリテラは、とりあえず自分から色々聞いてみるしかないと思い、質問をしてみる事にした。

 

「それではですね、皆さんが一体誰なのか教えてください、軍服で何となくソルフゲイルの人だってことは分かります。あと、ルキソミュフィアがどうなったのか、私はどれ位眠っていたのかを知りたいです。」

 

リテラは、そう~一気に話しかけると、ふぅ~っとため息をついて周囲を見回した。

 

混乱していた3人はこの問いかけでやっと我に返り、それぞれの立場や状況を説明する事となった。

 

 

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まず、アスレイが身の上を話すこととなった。

 

「俺はアスレイ=グレセフェルス=ラングリッド。ラングリッド家と言えば分かるかな。そこの3番目の息子で、今は竜騎士副長をやっている。あ、そこのちょっと眼付きの悪い角のヤツが俺の竜で名前は~」

 

「シーヴィルって言うんだ、忘れんなよ!」

 

二人が一緒に紹介してきたので、二人の人現関係も同時に把握することが出来た。

次に、長身の美女が口を開いてきた。

 

「私は、ゼフィリア=セシリシス=ティアット。ティアット家と言えば分かるだろうか?私は長女だが兄が3人いるお蔭で、結構自由気ままな生活を送っている。特に今力を入れているのが、希少生物の保護観察だ。」

 

と、意気揚々に話すので、思わず笑い?と困惑が込み上げてきた。

 

(この人は私が希少生物だって知っている・・・?)

と思いながら頭を探ると、フードが脱がされている事にやっと気が付いた。

 

(ぅわーー何で何で?!しかも耳も出てる!!)

 

リテラは耳を隠しながら上目遣いで3人を見た。

 

「あ、悪い~ちょっと雨に濡れていたから、拭くためにフードを外させてもらった。」

 

アスレイは軽く頭を下げながら謝罪した。

 

「街道沿いで残党・・・ルキソミュフィア軍の負傷者が居ないか捜索していた所、君が倒れているのを見つけて俺がシーヴィルに乗せて運んで来たんだ。」

 

窓の外で降りしきる雨を見ながらアスレイは話した。

 

「ルキソミュフィアは敗退したよ・・・・。早々に撤収する姿を見たものは多い。しかしソルフゲイルは血気盛んな人が多いからね、残党狩りで殲滅されたかも知れない・・・・」

 

と、苦々しい表情で続ける。

 

「俺は、あまり無駄な血が流れるのは好まない性分で、それで出世も遅いと家に言われているんだけど、でもそのお蔭で本当に良かったと思っている。」

 

そう言ってリテラを見ながら笑った。

 

(ああ・・・この人は、本当は竜騎士なんかになりたくなかったのね)

 

リテラはアスレイの心の奥に眠る真理を読む様に頷いた。

 

「それと君が眠っていた時間だけど、あの街道沿いでいつから倒れていたのかが分からないので何とも言えないが、この雨が降り始めたのが一昨日の昼頃だったからそれ以降に倒れたとして換算すると、確実に丸一日以上は眠っていたと考えておいた方がイイかも知れない。」

 

最後に、リテラが倒れてから今までの経過時間をアスレイは話した。

 

リテラは、多分一昨日の夕方頃倒れたかも知れない~と推察して一瞬苦渋の表情を見せたが、すぐに元通りの表情に戻した。

 

「分かりました、ありがとう。そういえば私は名乗ってませんでしたね。」

 

リテラの佇むベッドの周囲で心配そうに見下ろしている3人に、改めて自己紹介をすることにした。

 

「初めまして、窮地を救っていただき、ありがとうございます。私はリテラ。苗字はありません。銀狼族です。見た目は~ちょっと成長が遅くて13歳くらいに見えるかも知れませんが、これでももう成人でしかも年齢も95歳になので子供扱いしないように気を付けてください。」

 

と、衝撃の事実も披露した。

 

「ええっ?!マジスカ!!オレより年上??!」

と、一番最初にシーヴィルが驚きのあまり後ずさった。

 

ゼフィリアは、興味津々の目で何かをメモっている。

 

アスレイはと言うと、「へぇ~~」と言いながら、

「銀狼族は長命だとは聞いていたけど、実際に年齢と容姿が合わない姿を見ると、ちょっと困惑するなぁ~」

 

と、笑っていたのでリテラは、

 

「そーいえばそこの黒竜さんもかなり長命な筈ですが、年齢と容姿が合致する感じなんでしょうか?」

と、質問し返してみた。

 

うーん・・・と考えながらシーヴィルを見るアスレイは、

「実は黒竜族と契約を交わす様になってからまだ100年しか経っていないと言う背景もあって、年齢と容姿が違う状態を見たことが無いんだよね。そこのシーヴィルは今20歳なんだけど、100歳以上になってもこの姿なのかどうかも多分当の本人すらわかってないと思うんだ。」

 

と、答えた。

 

「年齢と容姿が合わない種族だと他にもエルフとかドワーフ族を想像しがちなんだけど、彼らはそもそも人種として確立されていないと言うか、妖精族なもんだから~滅多に普通の軍人では出会えないのよね~」

 

と、ゼフィリアが口を挟んだ。

 

へぇ~・・・と思いながらリテラは、敵軍の軍人なのに何で普通に話して居られる自分がいるのか不思議だった。

 

さっきまで、お互い殺し合いをしていた筈なのに今は笑って話している。

本当は、こんな風に対話して~対話して対話していけば回避できた戦争だったんじゃないか?と考えていた。

 

本当は、あんなに血を流さずに済んだんじゃないか?と思いながら、彼らの話に耳を傾け続けていた。

 

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リテラ、キャラ設定。

 

 

続く。

 

<5話>

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