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ライターと絵描きの二刀流

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ルキソミュフィア   第七話   <創作> 銀色の風は炎の中で吹く

ほんの、瞬きの間に私は、ルキソミュフィアの地に着いた。

 

目を開けると、ルキソの街の入り口に着いていた。

 

「リテラの他にはナタリアとヘイゼルを運んだけど、他は捕まってしまったのかな~」

 

ニーアーライルが力なく話した。

 

「ナタリアは無事だったんだ。」

 

私はそう言うとニーアーライルは、

 

「そういやリテラとナタリアは仲良しさんだったな~」

 

と言って笑った。

 

ナタリアは銀狼族では無く元黒竜族の少女で、ルキソミュフィアの炎帝と呼ばれるほどの炎の魔術に長けた魔導士だ。

 

今回私が配属されていたセクトシュルツとは別の地域に派遣されていたのだが、ニーアーライルがルキソに連れ帰ったと言うのなら無事なんだろう。

 

私がナタリア無事と言う言葉で喜んでいると、ニーアーライルはまた疾風を発動させようとしていた。

 

「もう行っちゃうの?」

「実はソルフゲイルで何か不穏な動きがあるって仲間から連絡があってな、それを確認しに行かなければならんのよ。」

 

と言って、苦笑いした。

流石と言うか彼女にしか出来ないと言うか、何か手伝いたい気持ちになったが私に出来る事は何も無かった。

 

「気を付けて」

「うん、長老には謝っておいてくれると助かる」

 

そう言ってまた、瞬きの間に消えた。

また彼女に会える日はいつになるか分からないが、今度会った時はゆっくり食事でもしようと思った。

 

 

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ルキソミュフィアはかつて、ルキソミアという国名だった。

 

今から200年ほど前に今のルキソミュフィアと言う名前になったらしい。

 

首都はルキソと言う名なので、ルキソミュフィアの国民は自国の名をそのままルキソと呼ぶ事が多い。

 

ルキソに住む人々の数は20万人程度で近隣の国に比べるとかなり少ない人口だが、活気があって笑顔の溢れる街だ。

 

ルキソの国民のうち、実は半数近くが人間ではない種族で構成されている。

私の様な銀狼族を始め、エルフやドワーフと言った妖精族も多い。

 

その理由は、農耕国家と言う国の在り方が多種族の協力を必要としている~と言うのもある。

 

農耕をする上で必要な土の情報や種の仕入れ、新しい作物の開発や天候の操作などは、ドワーフやエルフたちの協力が無ければ成すことが出来ないしそれに、彼らにも安定した居場所を提供することが出来ているので、持ちつ持たれつと言う関係が築かれているのは確かだった。

 

私も・・・・銀狼族もかつてはルキソに保護されたことにより、滅びを迎えようとしていた種族がまた活性化して行ったと言う記録が残されている。

 

何百年も前の話だが、かつて銀狼族は天敵に襲われて種族の半数以上が滅ぼされたと言う記録がある。

 

100年前のソルフゲイルの大量拉致事件よりもさらに酷い事をされたらしい。

 

銀狼族には他の種族には無い特殊な能力を保持している者が多い為、色々な国から研究材料として狙われ続けていた。

 

 ニーアーライルは未だに、ソルフゲイルなのかドコなのか分からない組織に狙われているらしいと言う話を聞くので、別れるたびに不安に駆られるけど、彼女の事だから多分また疾風の如くその場から消え失せて難を逃れるのだろう。

 

 

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久し振りに歩くルキソの街は、全く変わっていなかった。

 

ソルフゲイル戦役では敗退を期したと言うのに、前線に旅立つ前と変わらない雰囲気を保っていた。

 

ルキソの街は、入り口からはしばらく真っすぐな何も無い道を進んだ後、200年前にルキソミュフィアになった記念に建てられたと言う石門をくぐると、街らしい街の風景に変わる。

 

中心には大きな噴水のある広場があるのだが、そこは街に住む人々の憩いの場になっていた。

 

私は、その噴水広場を横目で見ながら、中央にある大きな建物に向かう。

多分この建物が、ルキソに建っている建物の中で一番高いかも知れない。

 

その建物こそ、ルキソミュフィアの中枢である元老院のある建物だった。

 

かのソルフゲイルは王を中心とした王立国家だが、ルキソミュフィアは完全なる民主主義の国家だ。

 

各地域には長老と呼ばれる地域長を配属し、彼らがその地域の意見をまとめる。

 

長老たちは、月に1度開かれる長老会議で、モクトの意思をまとめてモクト長が元老院に行く仕組みだ。

 

モクトと言うのは~別の国の単位で言うと、県とか省とかそんな感じの地域の分け方の単位の事で、ルキソミュフィアはかなり大昔~1000年以上前からこのモクトと言う単位を使っている。

 

私の住んでいたモクトは氷風の谷モクトで、近くには年中雪が積もっている氷風山がそびえている事からこの名になった~と言うか、そのまんまじゃないか?と言われている。

 

氷風の谷モクトは首都であるルキソからはかなり離れているので中々帰京する事は出来ないが、年に1度は帰っているのでご安心を。

 

さて、そのモクト長が集まる元老院だが、元老院で各地域の意見やこれからの指針など決めてルキソミュフィアと言う国を動かしている。

 

そう、この元老院こそがルキソミュフィアの意思なのだ。

 

その元老院の中で最高位に当たるのが、首領だった。

 

首領は、実はソルフゲイル戦役の前に斃れられ、現在不在のままだった。

 

代理で、副首領のルザエル・ベルファルド氏が就いているのだが、ベルファルド氏は人気が高いから、首領選挙を行わなくても人気投票だけでルキソの首領に就任しそうな気がしていた。

 

ルキソの元老院に私が向かっている理由は一つで、単なる生存報告とセクトシュルツで見たソルフゲイルの状況などの確認などをする為だった。

 

まあ、いわゆる、情報のすり合わせ?的な??

 

なので、あのソルフゲイルの軍人に命を救われた話を~口を滑らせない様にと、私は気を引き締めた。

 

「氷風の魔導士リテラです。生存確認と状況報告に参りました。」

 

元老院の前に立ちはだかる門番にそう告げながら、私はフードを外して銀色の髪を露わにする。

 

すると、強固な壁の様な門番の顔色が途端に青ざめて、柔らかいカーテンの様にヒラリとかわせるようになった。

 

と言うか、長きに渡ってルキソの国民であるにもかかわらず、一般の人間たちには未だ驚異の種族として私達銀狼族は畏れられていた。

 

「さて・・・・面倒な質問されなきゃいいけど・・・・」

 

私は、元老院の会議室のドアを、面倒くさそうにノックした。

 

 

 

続く。

 

 

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