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ライターと絵描きの二刀流

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疾風の~   第六話  <創作> 銀色の風は炎の中で吹く

その日は結局、セクトシュルツの街の外れでアスレイとは別れた。

 

別れ際にアスレイは、さっき宿屋の主人に見せていた指輪に、手持ちの紐をくくり付けて渡してくれた。

 

紐は、金属の糸が織り込まれている不思議な感触の布地で編まれていたので、これはコレだけでかなり高価なシロモノなんじゃないか?と私は思った。

 

「これって大事な物じゃないの?」

 

私はアスレイに問うと、

 

「何となく予感なんだが、近いうちにコレがリテラの役に立つ気がする。」

 

と言って、私の手に握らせた。

 

このままだと無くしそうだったので、私は紐を首にかけてペンダント状にして服の中にしまった。

 

「うん、それでイイ。」

 

そう言って、アスレイは満足そうに去って行った。

とりあえず別れの言葉を言いそびれたが、まぁどうせ二度と会わないだろう。

 

 

ここは、セクトシュルツの街はずれ。

幸いなことに今、私しかこの場所に居ない。

 

先ほどまで、例のソルフゲイル民に見せていた黒髪黒目の少女の姿を変更しようと思った。

 

あれは・・・・その場を逃げ切るのには良さそうだと思ったんだが、逆効果だったかも知れない。

何か、約一名がやたらキラキラしていた記憶が募った。

 

あのキラキラは多分、あれ以上過剰に反応するとロクな事が起きない可能性が高いと何となく気付いた自分が、何だか腹立たしくなった。

 

私は、変身魔法のレベルを上げて服装から見た目をすべて変更することにした。

 

髪は金髪にして目は碧眼、よくあるパターンだ。

それと服は黒じゃなくて白とピンクな感じにしておこう。

これなら、普通の町娘としか見えないだろうし。

 

もちろん、耳も隠して普通の人間の耳に偽装しておいた。

 

これでまた、ソルフゲイルの街に入ることが出来る。

と言うのも、元々ルキソミュフィア軍が敗退した場合はこのセクトシュルツに集合して、それから国へ帰る算段だったのだ。

 

なので、街はずれまで連れてこられた私としては非常~~に!迷惑千万だったわけで、本当二度手間と時間がかかっただけだった。

 

まぁ、助けてもらったのはありがたいけど・・・・

 

二度手間と差し引きだとマイナスになってる気がするので、もう考えるのは止めようと思った。

 

 

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ルキソミュフィアやソルフゲイルのある大陸は、蒼壁の大陸と呼ばれている。

 

蒼壁の大陸には、この二つの国の他に3つの国が存在しているのだが、ルキソミュフィアとソルフゲイル以外の国は特に戦争関係などは無く正常に外交等々を行っている状態である。

 

そもそも蒼壁の大陸~の名前の由来は、大昔に蒼竜と呼ばれる大ドラゴンがこの大陸を作った~云々的な出来事があったらしい~と、大昔に書かれた古文書に記載されていたそうだ。

 

どれ位大昔なのかは知らないが、古文書自体が数千年前のモノだと言うので、更にそれよりも昔の出来事なのだろう。

 

寿命が長いと言われている銀狼族でさえも、そんなに昔の事はトンと知る由も無いので、古文書を誰でもわかる絵本にしたモノを読む程度で何とか理解を進めた感じだ。

 

とにかく、そんな蒼壁の大陸の北部にあるのが私の住むルキソミュフィアと言う国なのだ。

 

ルキソミュフィアは農耕国家で、主な産業は農産品の輸出だと言っても過言では無いだろう。

 

かつて誰かが蒼壁の大陸の台所~と称したことがあったのだが、正に!その言葉は正しいと思える。

 

とにかく、ルキソミュフィアに行けば蒼壁の大陸に流通している農作物のほとんどを手に入れることが出来るのだ。

 

つまり、それだけルキソミュフィアの土地が豊かで肥えていると言っても良いだろう。

 

こんな感じの国が私の国なんだが~ソルフゲイルの端にあると言ってもルキソミュフィアとは反対方向の端にあるセクトシュルツからルキソミュフィアに帰るのは容易ではない。

 

破壊されまくって悪路に変貌した街道を歩いて帰るのも良いかもしれないが、体力全開で徒歩で帰る事にしたとしても、早くて5日はかかる距離だった。

 

そんな距離感なので、体力ゼロ財力ゼロ魔力は移動に向いていない・・・私が短時間でルキソミュフィアに帰る方法は一つしか無かった。

 

 

再変装をして再セクトシュルツ入りを果たした私は、助けてもらって滞在していた宿屋とは反対方向にある古い教会を目指していた。

教会の近くに、ルキソミュフィアの諜報員がいつも潜伏している場所があるのだ。

 

足早に教会に向かっている途中、何度もソルフゲイル軍の軍人とすれ違ったが、誰も私がルキソミュフィアの銀狼族とは気付かなかった様だった。

 

魔力の残りが少なくて術のかかり具合に不安があったが、まぁ何とか効果は出ていた様だった。

 

教会までは結構あっさり到着したのだが、問題の諜報員の姿が見えなかった。

もしかしたら今日は色々調べる事でも出来たのだろうか?と思い、私はその場所でしばらく待機することにした。

 

すると、足元に急につむじ風が舞い、目の前によく見知った人物が姿を現した。

 

「お!リテラ!久しぶりだなぁ~よく捕虜とかならずに逃げてきたな!」

 

そう言って、その人物は私の頭をワシャワシャと撫で繰り回す。

変装していてもこの人には、魔力は効かないと言うか、特殊な能力を持つ銀狼族だった。

 

彼女の名は、リーアーライル。

 

ルキソミュフィアの諜報員と言うのが本業だが、普段は普通にこの街でよろず屋を営んでいる。

 

リーアーライルは銀狼族だが、銀狼族的な銀色の髪ではなくむしろ金髪に近い髪色をしていたので、あまり銀狼族とは気づかれない様だ。

更に気付かれない要素として特徴的なのが、耳が異様に長くて大きい事だったりする。

 

その耳の大きさは小さい頃から~そうだったので、突然変異かまたは進化?と思う様にしていると当の本人が昔言っていた気がする。

 

そんなリーアーライルは銀狼族らしからぬ特異な存在で、私や他の仲間の様に魔法が使えない~と言うか、3つくらいしか術を使えない人だ。

 

しかもそのうち一つの術は、あらゆる変化形魔法を見破ると言う能力な為、何か事件を起こして変装した状態で逃亡している犯人を見つける~などの仕事も良く引き受けてきた様だった。

 

 

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私は彼女の通り名である、「疾風のリーアーライル」と言うのが気に入っていて、誰かに彼女を紹介するときはこの通り名で紹介することにしている。

 

が、あまり紹介する機会が無いので、それがちょっと残念だったりする。

 

と言うか何で疾風なのか?と言う部分に対しての説明を求められる事の方が多いのだが、この辺が実は企業秘密と言うかルキソミュフィアの極秘事項だったりするのだが、実は彼女には・・・・

 

「ところでリテラ、ルキソに帰るんだろ?疾風の術で今すぐ帰る?」

 

「うん、帰る。」

 

疾風の技。

 

それは、術者であるニーアーライルが一度訪れた地に術式を埋め込むと、また次にその場所に行きたいときは術を発動させるだけで一瞬で訪れることが出来る術なのだ。

 

多分今の段階で、この疾風の技を使える人は蒼壁の大陸広しと言えどもあと2人しか知らないが、そんな稀有な術を使って活動しているのがニーアーライルなのだ。

 

「じゃ、私の手を取って!行くよ!!」

 

ニーアーライルが意識下で術を発動させると、私の身体がフっと宙に浮き、瞬きの合間にその場から消えた~と思う。

 

前に、他の誰かがニーアーライルと移動した時に見た光景がそれだったからだ。

 

一瞬で・・・・・

徒歩だと5日かかる距離を私たちは、瞬きする間位の時間でルキソミュフィアに移動する。

 

この技を未だ、ソルフゲイルは知る由も無かった。

 

 

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続く。

 

 

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